女性のノーベル賞、自然科学分野でまだ4% 元選考委員長に聞く

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竹石涼子 藤波優
【動画】ノーベル物理学賞選考委員長を昨年務めたエバ・オルソンさんから、科学者を目指す若者へのメッセージ=藤波優撮影
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 100年以上の歴史があるノーベル賞は、早くから女性にも賞を授与してきた。一方で、自然科学分野では、のべ26人と全体の4%にとどまる。ノーベル賞におけるジェンダーの平等をどう考えるのか。昨年の物理学賞選考委員会のエバ・オルソン委員長(63)に聞いた。

 自然科学3賞を女性で初めて受賞したのはマリー・キュリーだ。1903年に物理学賞を受賞し、11年には化学賞も受賞した。キュリーは父母ともに教育者という家庭に生まれたが、当時、高等教育の門戸は多くの女性にとって開かれたものとは言えない時代だった。そんな時代に、女性科学者を選んだノーベル賞の先見性が評価されてきた。

 だが、過去には核分裂反応の発見におけるリーゼ・マイトナーなど、共同研究した男性科学者だけがノーベル賞を受賞し、女性科学者が正当な評価を得られなかったとされる業績もある。

 物理学賞で、次に女性科学者が受賞したのは1963年。半世紀以上後のことだった。3人目はさらに半世紀後の2018年で、以後20年、23年と続いているが、まだ5人しかいない。全体に占める割合は2%だ。米国物理学会による2020年時点の調査で、米国の物理学の学位取得者に占める女性の割合が21%であることと比べてもはるかに少ない。

 オルソンさんは、「少ないのは事実です。ただ、推薦されなければ選ばれない。女性受賞者を増やすには、推薦リストに挙がる名前を増やす必要があるのです」と話す。

 具体的な割合は言えないとし…

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