風向き変えた中国のレーザー事件 フィリピンが日米との接近急ぐ背景

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バンコク=大部俊哉
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 フィリピンのマルコス大統領は11日、米ワシントンで日本の岸田文雄首相、米国のバイデン大統領との初の3カ国首脳会談に臨んだ。マルコス氏は会談の冒頭で「この時代の複雑な課題に立ち向かうには、協調努力と国際秩序への揺るぎない関与が必要だ」と訴えた。

 南シナ海領有権をめぐって中国と激しく対立するマルコス政権にとって、日米との初の3カ国会談は「どうしても欲しい成果」(フィリピン外交筋)だった。

 「1942年当時と同様、地域の平和と安定を侵し、成功を脅かす行動に対峙(たいじ)する最前線に立っている」。マルコス氏は2月末、オーストラリアの首都キャンベラで演説した際、中国の海洋進出への危機感を太平洋戦争当時になぞらえ、多国間の結束を呼びかけた。

 南シナ海のスプラトリー(南沙)諸島近海で繰り返される中国船による「嫌がらせ」はエスカレートしているとされ、フィリピン人の反中感情は膨らんでいる。3月には中国海警局の船による放水があり、フィリピン政府対策本部は南シナ海の補給任務で初の負傷者が出たとし、「これまでで最も重大な案件だ」と述べた。

 マルコス氏は就任当初、イン…

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