日米を軸につくる多重な「対中包囲網」 危うい均衡で成り立つ抑止力

有料記事

編集委員・奥寺淳
[PR]

 中国に対する、米国を軸とした「戦略的な包囲網」がまた一つ増えた。日米比の3カ国による安全保障協力だ。

 バイデン米政権は、日本をはじめ、韓国やオーストラリア、インド、欧州の主要国も巻き込んでアジアで安全保障協力を強めている。台湾や南シナ海、日本の尖閣諸島で威圧的な行動をとる中国に対し、「抑止力」を効かせるためだ。

 そもそも抑止力とは何か。本当に必要なのか。私が米ワシントンで外交分野の取材を担当していた2014年、そのことを考えさせられる事件が立て続けに起きた。

プーチン氏に安心感与えた?

 この年の3月、ロシアがウク…

この記事は有料記事です。残り1825文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【締め切り迫る】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら