100円食堂に物価高直撃 「店を応援しよう」NPO法人が寄付募る

田中祐也
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 大阪府豊中市の食堂「ごはん処(どころ) おかえり」は「しんどい人たち」を支えるために総菜は全品100円、子どもたちには無料で提供している。昨年から続く物価高で運営が厳しくなる中、店を応援しようとNPO法人が全国に寄付を募っている。

 おかえりはホームレスやシングルマザーの支援をしていた店主の上野敏子さん(55)が「おなかいっぱいになる場所を作りたい」と2019年にオープンした。

 コロッケや唐揚げなど総菜は全て100円、20歳以下には無料で提供する。不登校の子どもやシングルマザー、中高年の独り暮らしの男性など、幅広い世代のお客さんが訪れる。「常連になるにつれ、『実はこんなことで困ってるねん……』と悩みを打ち明ける人がいる」と上野さん。相談をきっかけに公的機関の支援につながる人もいたという。

 店の運営は寄付や食材の寄贈が頼り。不足分は上野さんの持ち出しでやりくりしている。ただでさえ厳しい状況の中、昨年秋からの物価高が大きな負担になっている。「揚げ物に使う食用油、味付けにかかせない塩やしょうゆなどの調味料など、何もかもが上がってしまった」と話す。

 京都市のNPO法人「ドネーションシップわかちあい」は、上野さんの活動を支援しようと昨年11月から寄付の呼びかけを始めた。わかちあいは07年に発足し、寄付を集めては貧困問題に取り組む団体や海外の紛争地などに贈ってきた。代表理事の立川さきさんは「いつでもおなかいっぱいに食べられる社会にしようと取り組む上野さんを応援したい」と話す。

 上野さんは「寄付はもちろんありがたいが、支援しようと思ってくれた気持ちが何よりうれしい」と話す。

 寄付の宛先は、郵便振替口座00940―9―168864、ドネーションシップわかちあい。通信欄に「おかえり寄付」と名前、連絡先を明記。ホームページからクレジットカードを利用して寄付も可能。4月末で集約し、全額をおかえりに寄付する。田中祐也

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 おかえりは21日午前10時から庄内神社(豊中市庄内幸町5丁目)で「こども縁日」を開く。

 スーパーボールすくいや風船アート、紙芝居などの催しやフランクフルト、綿菓子などの屋台が出店する。午後1時からはビンゴ大会もある。

 子どもは全て無料。子ども向けのお弁当を無料で配布する。雨天決行。問い合わせは上野さん(080・5319・1368)へ。

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