酒田出身の写真家、土門拳の生涯を漫画に 酒田市が作成

清水康志
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 リアリズムを追求した昭和の日本を代表する写真家で、山形県酒田市出身の土門拳(1909~90)。その生涯を描いた漫画「リアリズム写真の巨匠 鬼の眼(め) 土門拳」が完成した。

 全作品約13万5千点を収蔵する土門拳記念館(同市)が昨年10月に開館40周年を迎えたことを記念し、市が発行した。同館で販売するほか、市内の小中学校などに配布して、土門の業績を若い世代にも伝える狙い。

 土門は酒田で生まれ、子どもの頃に東京へ。画家の夢は破れたが写真家となり、「絶対非演出の絶対スナップ」などリアリズムを提唱。ライフワークとした「古寺巡礼」、被爆した広島を撮影した「ヒロシマ」などの写真集で知られ、弟子の育成にも力を注いだ。

 1974年には名誉市民第1号に。漫画はこうした土門の生涯を描き、代表作の一部も紹介している。

 市は漫画の制作を、同記念館を指定管理する公益財団法人さかた文化財団に委託。地元の偉人を描く漫画の制作を支援する公益財団法人B&G財団(東京都港区)から300万円の助成を受けた。

 市文化政策課の担当者は「若い世代の中には土門拳を知らない人が増えているので、漫画を通じて知ってほしい」と話す。

 漫画はB6判、123ページ。2千部発行。土門拳記念館で1冊税込み千円で販売され、同館ホームページでも無料公開されている。清水康志

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