この世界には彩りが必要だと、キーウに住むネイリストのポリーナ・コルツさん(35)は言う。週末はウクライナ各地の学校へ出かけ、爪の代わりに、地下シェルターの壁に絵を描く。戦時下の子どもたちの気分が少しでも明るくなるようにと。
戦争は、色彩を奪う。ミサイル攻撃で焼け落ちる住居。白煙が上がる空。がれきが積み上がる道路。硬直して色みを失う遺体。「この国には、灰色のもの、くすんでいるもの、壊されたものが多すぎます」
ロシアの全面侵攻が始まって以降、ウクライナの教育施設の7校に1校が空爆などで被害を受けた。生徒の安全のため、シェルターのない学校は対面授業ができない。
侵攻開始から2年となった2…
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