台湾の馬英九前総統と中国の習近平国家主席が北京で会談 9年ぶり

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北京=畑宗太郎
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 北京を訪問中の台湾の馬英九(マーインチウ)前総統は10日、中国の習近平(シーチンピン)国家主席と会談した。中国国営中央テレビ(電子版)が伝えた。両氏の会談は2015年以来、9年ぶり。5月20日に予定される民進党の頼清徳(ライチントー)氏の総統就任式を前に、揺さぶりをかける狙いだ。

 習氏と馬氏は、馬氏が現職総統だった15年11月、1949年の中台分断以降初めてとなるトップ同士の会談をシンガポールで実現。中国大陸と台湾がともに「中国」に属するという「一つの中国」原則を確認した「92年コンセンサス」をもとに、平和的な関係を構築する考えで一致した。

 ただ、その2カ月後の総統選では、馬氏が属する国民党の候補が惨敗。代わりに中国と距離を置く民進党の蔡英文(ツァイインウェン)政権が誕生し、中台関係には進展が見られなかった。今年1月の総統選でも民進党が引き続き政権を担うことが決まっている。

牽制の相手は民進党に限らない?

 そうした中で、今回の会談が…

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    阿古智子
    (東京大学大学院総合文化研究科教授)
    2024年4月11日1時34分 投稿
    【解説】

    馬英九は11日という長い時間をかけて、「中華」の歴史をたどり、日中戦争に関連する場所を訪れ、平和の尊さをアピールした。習近平も同様に「中華」という言葉を多用していたが、5月発足する頼清徳政権を牽制する姿勢を明確にしたと言える。しかし、馬英九

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