「地獄から抜けられない」 娘を元夫に殺された女性 共同親権に危惧

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編集委員・大久保真紀
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 離婚後も父母双方が子どもの親権をもつ「共同親権」導入を柱とする民法などの改正案が国会で審議されている。その行方を心配する女性がいる。面会交流中にまな娘を元夫に殺害された西日本在住の40代の女性だ。朝日新聞の取材に応じ、「家庭内暴力(DV)で苦しむ人が地獄から抜けられなくなるのではないか」と語った。

 女性の長女、侑莉ちゃん(当時4)が殺害されたのは2017年4月23日のことだった。春のにおいを感じるこの季節は、一層胸が苦しくなる。

 二つ上の元夫と結婚したのは30歳のとき。共通の友だちも多く、友人たちといるときの元夫はおだやかで優しい人だった。

 しかし、半年もすると、気に入らないことがあるだけで怒り、暴れるようになった。物や家具を投げ、部屋の壁には穴が開いた。身体的な暴力はなかったが、「殺されるのではないか」と恐怖にさいなまれた。夜中にたたき起こされて朝まで説教されることもしばしばあった。

 「お前が悪いからや」。そう…

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