「舟を編む」ドラマ化の舞台裏 三浦しをんさん伝えた「冷めない熱」

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宮田裕介
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 NHKBSで放送中のドラマ「舟を編む ~私、辞書つくります~」(日曜夜10時)は、三浦しをんさんのベストセラー小説に、時代の変化を織り込むことで、新たな価値を生み出している。13年越しのドラマ化に至るまでの制作者の思いを聞いた。宮田裕介

 三浦さんの小説「舟を編む」が出版されたばかりの2011年。このドラマの制作統括の一人である、日テレアックスオンの高明希(こうあき)さんが、書店で装丁が気になり、手にとったことがドラマ制作の始まりだった。

 原作は、出版社・玄武書房に勤め、辞書「大渡海(だいとかい)」の編集メンバーである馬締(まじめ)光也(ドラマでは野田洋次郎)が主人公。下宿先の大家の孫娘、林香具矢(かぐや)との恋を織り交ぜながら、辞書づくりの裏にある情熱を描く。

 高さんにとって、馬締が香具矢に便箋(びんせん)15枚にわたる長文のラブレターを送った場面は印象的だった。「博識で様々な本を読んできた馬締でさえ、思いを言葉にして伝える難しさ、もどかしさがある。人間くささも感じた」

13年越しにドラマ化 三浦さんと交わした約束は………

 高さんはドラマ「今日から俺は!!」(日本テレビ系)の企画・プロデュースなどで知られるが、この作品と出会った当時は若手のころ。読んでから、三浦さん側に映像化を打診したが、既に映画化の話もあり、断念せざるを得なかった。

 ただ、諦めなかった。念願か…

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