泥まみれの黒犬が「君と宇宙を歩くために」(小原篤のアニマゲ丼)

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 「もっとシュッとしたペンネームを考えていたんですけど、自分が全然マンガを描けなくなった時期があって、その後でもう1回ちゃんとコミティアに出すために描こうと思った時に、名前でカッコつけてる自分が恥ずかしくなっちゃって、描いてる時の自分を考えると泥の中を犬がもがいてるイメージだなぁと思ってそれをそのままペンネームにしました」

 泥ノ田犬彦さんの「君と宇宙を歩くために」(講談社、既刊1巻)が「マンガ大賞2024」に選ばれました。4月2日に東京都内で開かれた授賞式でペンネームの由来を問われた泥ノ田さん(どろのだ、と読みます)の答えがこちら。顔出しNGなので黒い犬のマスクで登壇しました。おや、女性だったんですね。

 「君と宇宙を歩くために」は、ヤンキー高校生の小林と転校生・宇野の友情物語。宇野は名前を知らない人と話すのが苦手、たくさんのことを同時にするのが苦手、大きな音も怒声も苦手。パニックになりそうな時の対処法や、日常の細かな行動の手順をノートに書いて携行しています。彼はそれを宇宙飛行士のテザー(命綱)と表現します。宇宙に放り出されたような不自由さを感じるこの世界を歩くのに、必要なものなのです。

 一方の小林は好き勝手やって…

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