「18歳の壁」超える試み 認知発達+農作業、障害者の自立を後押し

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中村英一郎
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 「18歳の壁」をなくし、親の死後も子が主体的に生きていけるように――。知的障害者を育てる親の願いから生まれた教育事業が、東京都世田谷区で行われている。運営するのは、株式会社「夢育て」(同区)。主に成人した知的障害者らを対象に、体操や農作業、語り合う時間などを通して、自立の準備をする機会を提供している。

 同社は、2020年に代表の前川哲弥さん(61)が設立した。自身も、知的障害のある長男(20)を育てている。「成人した障害者が教育を受けられる場所が少ない。将来を不安に思う保護者らのために、成長の機会を提供したかった」と話す。

特別支援学校などを卒業後に待ち受ける「18歳の壁」

 特別支援学校などを卒業した障害者と保護者には、「放課後等デイサービス」が利用できなくなるなど、支援が手薄になる「18歳の壁」が待ち受ける。

 就労できない場合は、企業で働くことが難しい人に職場を提供する「就労継続支援B型事業所」などに通うことになるが、学びの場が少なくなる。また、午後3時ごろには終わる事業所が多いため、保護者は送迎のためにフルタイムで働くのが難しくなる。

 一方、前川さんは、18歳以…

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