牛1頭分の革、上方落語に欠かせぬ存在に 桂天吾が太鼓職人を訪ねる

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 若手落語家の桂天吾さん(27)が伝統芸能の職人をたずねる新企画の2回目。1865(慶応元)年創業、愛知県岡崎市を拠点に和太鼓を製造する三浦太鼓店におじゃましました。

桂天吾

1996年生まれ。神戸市出身。関西学院大学教育学部を卒業後、桂南天に弟子入り。若手落語家の登竜門と言われる「令和4年度NHK新人落語大賞」本選の6人に選ばれる。

和太鼓に欠かせない革職人

 名古屋鉄道の本宿駅から徒歩5分ほど。作業場兼店舗の入り口では、10人の職人方のイラストとともに「ようこそ!三浦太鼓店へ!」と書かれた大看板がひときわ目を引いていた。

 そのひとり、日置貴也さん(27)は革職人だ。牛や馬の革を裁断し、中に金輪を入れて糸で縫い上げ、革単体でも音が鳴るまでを担当している。

 革はもともと乾燥していて硬いため、はさみで切ったり、穴を開けたりすることはできない。水に浸して柔らかくすることから一日の作業が始まるという。

 壁には牛1頭分の巨大な革が…

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