レタス収穫、カンナ削り 入社式、コロナ禍経験の新入社員に工夫も

猪瀬明博 小林未来 黒田壮吉
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 新年度が始まった1日、埼玉県内の企業や自治体で入社式や辞令交付式があった。学生時代にコロナ禍を経験した新入社員を、工夫を凝らした入社式で迎える企業もあり、それぞれが新たな一歩を踏み出した。

 大手食品メーカーキユーピー」は1日、東京・渋谷にある本社を飛び出し、埼玉県深谷市で初めて体験型入社式をした。

 新型コロナの影響で制約ばかりの大学生活を送った新入社員46人のために、20人を超す先輩社員が練った「記憶に残る入社式」をプレゼントしたという。

 会場は同社が運営する野菜を楽しむ複合施設「深谷テラス ヤサイな仲間たちファーム」。新入社員はマヨネーズの製造過程で出る卵の殻を土壌改良材に使っている農場でレタスを収穫し、卵からマヨネーズ作りに挑んだ。そして昼食のサラダとして食べた。

 46人と一緒に体験した高宮満社長は「ここでの体験は何枚もの資料を見せる以上に我々の思いを伝えてくれた。素敵な場面を見ることができたと実感している」と話した。(猪瀬明博)

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 木造注文住宅を手がけるAQグループ(旧アキュラホーム)は1日、前日に完成したばかりの新社屋(さいたま市西区)で入社式を行った。新社屋は国内でも類をみない8階建ての木造ビル。新入社員121人が式典に参加し、新たな一歩を踏み出した。

 式典では、宮沢俊哉社長が「若いエネルギーと柔軟な発想力を生かしてほしい」と祝辞を述べた。新入社員の三野稜馬さん(22)と田中葵さん(20)が「自ら考え、自ら行動する主体性をもって、自身の成長につなげる」「切磋琢磨(せっさたくま)しながら会社の発展のために努める」などとあいさつした。

 同社では毎年、木のよさや品質追求の大切さを感じてもらおうと、新入社員がカンナ削りを体験する。体験した松田大樹さん(23)は「押さえる動作と引く動作を同時にやるのが難しかった。お客様の夢をお手伝いできるようにバリバリ仕事をしていきたい」と話した。

 同社の本社は東京都内にあるが、5月には新社屋に移転する予定。小林未来

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 埼玉県が埼玉会館(さいたま市浦和区)で1日に開いた入庁式には、一般行政職など372人が参加した。

 大野元裕知事は昨年公開された映画「翔んで埼玉」の続編が話題になったことなどを挙げ、「今年度は、長く続いたコロナ禍の暗い雰囲気を吹き飛ばし、日本を埼玉から明るくしていきたい」とあいさつ。新入職員に「日本一暮らしやすい埼玉を実現するために、未来を見据える皆さんの力が必要だ」と呼びかけた。

 職員代表の近藤彩海(あやみ)さん(22)は「魅力あふれる埼玉県を実現することが、私たちに課された使命。日々研鑽(けんさん)を重ね、成果を還元できるよう全力で職務に取り組みたい」と誓った。(黒田壮吉)

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