背水の自民総裁選まで半年 言は行を顧み、行は言を顧む

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前政治部次長・内田晃
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 新年度政府予算が成立し、自民党の議員たちは9月の総裁選を見据え走り始めた。その道のりは衆院の解散戦略とも絡み合い、野党にとってもひとごとではない。総裁選で何が問われるのか、世代も立ち位置も異なる与野党の4人に聞いてみた。

 総裁選までのシナリオは、現総裁の岸田文雄首相からみて大きく二つある。一つは、6月の国会会期末までに衆院を解散し、選挙の成果を掲げて再選をめざすシナリオ。もう一つは、自民内の抵抗などで解散に踏み切れないまま迎える総裁選だ。後者は、衆院選に向け政権の刷新感を演出することが肝といえ、首相が退陣に追い込まれる可能性も高い。裏金問題で派閥が溶解し、背水の状況にある自民内の駆け引きは熾烈(しれつ)を極めること必至だ。

 各種の世論調査で「次の首相への期待」でトップに立つ自民の石破茂元幹事長(67)は、総裁選の争点は「派閥なき後の自民は何なのか。総裁選の仕組みをはじめ、党のあり方そのもの」と語った。

 カネとポストをテコに国会議員の支持を得るのではなく、一般の党員が政策本位で選べるような総裁選にする。問うべきは、急速な人口減少への対応策や都市と地方の関係、独立主権国家としての対米関係など安全保障だという。総裁選を通じて自民が変われなければ「政権交代が起こるだろうね」と、野党転落もありうるとした。

 5度目となる総裁選に挑むの…

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