「でも、きっと咲く」避難先で信じた 能登半島に春告げる珠洲の桜

有料記事桜ものがたり

林敏行
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 石川県珠洲市の日本海に面した高台に、奥能登で一番早く咲くという「谷崎(たんざき)の桜」がある。地元の人たちが、「この辺で一番早く咲く」と口をそろえる一本桜だ。

 能登半島地震とその後の津波で、近くの海岸線付近ではほとんどの建物に被害があった。多くの住民が避難生活を続け、倒壊家屋の解体も進まないまま、4月を迎えた。沖合の崩れた見附島に「かわいそう」とつぶやく人もいる。

 「桜の木がある斜面は下へずれている。でも、きっと咲くでしょう」。桜の前にある自宅で生まれ育った板野浩一さん(77)は、2次避難先の加賀市で信じ、春の訪れを待った。

 小学生だった1955年ごろ…

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能登半島地震

能登半島地震

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