ドイツ右翼政党に反対デモ、支持率低下 「移民追放計画」報道で警戒

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ベルリン=寺西和男
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 ドイツで「反移民・難民」を訴え、政党支持率で2位につける右翼政党「ドイツのための選択肢(AfD)」に反対するデモが広がっている。AfDメンバーらが参加した会合で、移民らの追放計画が話し合われたと報じられたことがきっかけだ。過激化への警戒などから足元では支持率の低下傾向が見られ、今後の行方が注目されている。

 「我々はカラフルだ。みんな一緒になってこそ前に進める」。ベルリンの住宅街に近い駅前で17日、親子連れら約300人がAfDに反対する集会を開いた。「カラフル」は肌の色などに関係なく、多様性を認める社会を支持するというメッセージだ。参加した医師のエイクさん(44)は「最近のAfDの動きが心配だ。今、声を上げないと社会がおかしな方向に行ってしまう」と話した。同様のデモが国内各地で相次いでいる。

 引き金は、1月の調査報道団体「コレクティーフ」の報道だ。昨年11月、AfDのワイデル共同代表の顧問(当時)やAfDの連邦議会議員、右翼活動家ら約20人が参加した会合で、移民や難民の「追放計画」が話し合われたとされる。ドイツで市民権を持っていても、肌の色が異なる人らを追放するなどという内容で、追放先として北アフリカに「モデル国家」をつくる提案もされたという。

 AfDは「私的な会合」で党と関係はないと説明。「(両親が移民などの)移民の背景を持つドイツ国民と、持たないドイツ国民を区別することはない」と追放計画も否定した。

 欧州では2022年にイタリアで右翼政党を率いるメローニ首相が就任。昨年11月のオランダ総選挙では極右政党が第1党になるなど右傾化が進み、AfDも支持率を伸ばしていた。

AfDの支持率、足元で低下傾向 

 しかし、この報道を受けAf…

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