12年ぶりに「やったろうじゃねえか」 巨人・阿部監督、初陣飾る

読売ジャイアンツ

堤之剛
[PR]

(29日、プロ野球 読売ジャイアンツ4―0阪神タイガース)

 初陣を勝利で飾り、巨人の阿部慎之助監督は「最高です」と控えめな表情で喜んだ。自らが見極めて起用した選手たちが躍動し、昨年の王者・阪神との開幕戦で完勝した。

 新監督は2月1日の始動の際に円陣で選手らに呼びかけた。「みんなの力を出せば、絶対勝てると思う。やったろうじゃねえか」

 日本一は2012年から遠ざかる。キャンプから動いた。ドラフト1位新人の西舘勇陽、同3位の佐々木俊輔ら若手を2月の実戦から積極起用。実績がなくても光るものがあれば、1軍に同行させ、競争を激化させた。

 結果を重視し、名のある選手でも容赦はしなかった。大リーグ通算178本塁打のオドーアはオープン戦で不調。2軍調整を促した結果、退団した。オドーアが守る構想だった右翼には梶谷隆幸が入った。オープン戦の打率は3割5分を超え、3年ぶりの開幕スタメン。三回に右中間への速い打球をダイビングキャッチして阪神の好機を阻み、打っては2ラン。新人で競争を勝ち抜いた西舘、佐々木もこの1勝に貢献した。

 球団創設90年の今年の使命は日本一。45歳の新監督は「すごいプレッシャーを感じている」と話したこともある。開幕戦直前、選手やスタッフに歩みより、握手をかわし、伝えた。「僕が勝つために考えるから、選手は思う存分グラウンドでプレーして下さい」

 12年ぶりの日本一へ、みんなでやってやる。(堤之剛)

梶谷、好守に2ラン

 巨人は右翼に入った梶谷のビッグプレーで阪神の先制のチャンスを阻んだ。

 三回1死一、二塁。阪神・森下の右中間への速い打球を梶谷がダイビングキャッチ。すかさず二塁手の吉川尚へ送球。一塁へと球は渡り、併殺を完成させた。

 3年ぶりの開幕スタメン。2年前には、左ひざ半月板の手術を受け、育成契約にもなった。そこからはい上がって再び昨年支配下登録に。今年のキャンプは2軍スタートだったが、「僕は生き残るために結果をやっぱり出さなきゃいけないという立場だった」。オープン戦で打率3割5分7厘を記録し、この日の先発をつかんだ。

 打撃では五回に右越えの2ランを放り込み、追加点を挙げた。

試合後の選手のコメント

 梶谷(巨) 右翼での好守に、打っても2ラン。「必死に走って、必死に捕った。(2ランは)練習の成果が出た」

 戸郷(巨) 初の開幕投手で6回無失点。「なんとか勝ちをつけられてよかった。やっと肩の荷がおりた。もっと精度は上がる」

 西舘(巨) ドラフト1位の新人は初ホールド。「すごい緊張した。投球練習では全然ストライクが入らなかった。初球にストライクが入ったので落ち着いて投げられた」

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

【締め切り迫る】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら