「逃げて幸せ」DV被害を自覚の女性、体験連載中「誰にでも起こる」

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宮崎亮
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 「モラハラ離婚のダンドリガイド」。こんな見出しで始まるエッセーをウェブ雑誌で連載中の女性がいる。

 DV(配偶者間などの暴力)を受けていると自覚し、昨夏に夫と暮らす家から逃げた。

 その体験を、お役立ち情報のようにつづるのは「離婚だって結婚情報誌みたいに明るく語りたい!」との思いから。そして、伝えたいのは「夫から逃げて、幸せです」。

 エッセイストの藤井セイラさんの連載は、集英社のウェブ雑誌「よみタイ」の「逃げる技術!」(https://yomitai.jp/series/nigeru/別ウインドウで開きます)。

 初回は昨年10月で、「離婚準備ダンドリ パーフェクトガイド」と銘打ち、「家族・実家にどう切り出す?」「いくら必要? 保険・医療・教育費」などの見出しが並ぶ。仕立ては架空の離婚情報誌。結婚情報誌「ゼクシィ」(リクルート)のパロディーだ。

 藤井さんはこうつづっている。「結婚には『ゼクシィ』がある。じゃあ離婚には?」「わたしは、離婚における『逆ゼクシィ』のようなものをつくりたい」

 隔週の連載にはDVの相談窓口の例や、「役所・病院・弁護士事務所などで相談する際、事前に1枚のメモにまとめておいて渡す」といった助言など、実用的な「逃げる方法」が記されている。

「自分を取り戻す」まで

 藤井さんは10年以上、苦しんできた。

 夫から「奴隷」「家畜」などと呼ばれる。突然、無視される。

 スマホの位置情報で居場所を…

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