旧ジャニ―ズ性加害のスタッフ2人は「元社員」 警察に情報提供せず

宮田裕介
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 「SMILE(スマイル)―UP.(アップ)」(旧ジャニーズ事務所)で、故ジャニー喜多川氏のほかに、スタッフ2人がタレントに性加害を行っていた問題で、2人はいずれも事務所の社員で、現在、在籍していないことがわかった。事務所が29日夜、朝日新聞の取材に回答した。

 スタッフの性加害については、特別チームが昨年8月に公表した調査報告書の中で指摘され、9月7日の会見で、東山紀之社長が事務所として調査する方針を示していた。ただ、事務所は3月28日にサイトを更新し、2人の性加害を認識したのは、特別チームが調査した時点だったことを明らかにした。

 朝日新聞への回答では、2人のうち1人は昨年9月の記者会見後に「厳正に対処」したが、残る1人は9月より前に退職していたと説明。具体的な退職時期や、対処の内容、被害者の数などについて同社は「個人のプライバシー」を理由に明かさなかった。1人は東山氏の元マネジャーとの一部報道もあるが、同社は明らかにしなかった。

 一方で、3月28日時点で同社に被害補償を申告した人の中に、2人からの被害はなかったと説明している。事務所の組織的な性加害については否定した。

 警察への情報提供については、「性被害の事案では、被害者の意思が何よりも大切ですので、被害者から警察に対する情報提供の意思が申告されていない段階では、情報提供を行うことは適切ではない」と回答した。

 そのほか、英公共放送BBCが28日に、東山社長が、スタッフ2人によるタレントへの性加害を把握していると語ったと報じるまで、公表しなかった点について、同社は「特別チームによる報告書で、『特別チームの調査でも、ジャニー氏以外にも、ジャニーズ事務所の社員による性加害があることが確認された』と記載されている」ことを挙げた。宮田裕介

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