南太平洋の島国フィジーが、自国に駐在する中国人警察官を中国に送還したことがわかった。ランブカ首相がオーストラリアメディアのインタビューで明らかにした。フィジーは中国と警察協力協定を結んでいるが、2022年のランブカ政権誕生後、破棄を検討していた。ランブカ氏は「中国の存在感の高まりが太平洋地域の民主主義を弱体化させることを懸念している」と語った。

 軍事クーデターで実権を掌握したバイニマラマ前政権は、豪州やニュージーランドとの関係が悪化したことから中国と接近し、2011年に中国と警察協力協定を結んだ。以後、中国の警官派遣を受け入れ、フィジーの警官を中国で訓練させるなどしてきた。

 しかし、政権交代で誕生したランブカ政権は豪州などとの関係を重視し、協定を見直す方針を示していた。

 15日にティコンドゥアンドゥア内務・移民相が英紙の取材に、協定の維持を決めたと述べたが、その後、ランブカ氏は豪ABCニュースが28日に報じたインタビューで、フィジーに駐在していた中国警官を国外退去させたと明かした。「深く検討した結果、中国の警官を駐在させる必要はないとの結論に至った」としている。

 ただ、中国側との協議は続いているとし、中国での上級警察官の訓練は「長年にわたり恩恵を受けてきた」として、続けたいとの意向も示した。

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