「百舌鳥(もず)・古市古墳群」(大阪府)が世界遺産になって5周年を迎える。日本を代表する古墳群には、非公開の巨大古墳もあれば、裏庭の丘ほどの小さなものも。そんな多様性が持ち味の広域資産群を、どう適切に保存し有効活用していくか。未来を見据えた息の長い取り組みがこれから本格化する。
同古墳群は、堺市の大山古墳(伝仁徳天皇陵)や羽曳野市の誉田御廟山(こんだごびょうやま)古墳(伝応神天皇陵)などを含む国内屈指の歴史遺産だ。前方後円墳や方墳など大小様々な形をした49基が2019年、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産に登録された。5年という節目を迎え、注目されるのがその活用である。
文化財の活用は定着しつつある。「稼ぐ文化」が提唱され、2020年には文化観光推進法もできた。近年はカルチュラル・ツーリズムも盛んで、その受け皿になる「日本遺産」が各地に誕生。文化財保護法の改正で首長部局も文化財に関与しやすくなった。
しかし同古墳群には公開され…
【締め切り迫る】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら