巨人・佐々木俊輔 恩人と磨いた打撃 2人はそれぞれの道を歩む

読売ジャイアンツ

堤之剛
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 プロ野球・読売ジャイアンツ(巨人)のドラフト3位の新人、佐々木俊輔(日立製作所)が29日、東京ドームでの阪神タイガースとの開幕戦に臨む。

 先発となれば、巨人の新人野手では2001年の阿部慎之助監督以来のスタメンだ。

 左打席でぐっと下半身を落とし、やや“がに股”で構える。この独特のフォームの原点は、社会人時代にある。

 佐々木は、日立製作所野球部の先輩、大塚直人さんから打撃を教わった。大塚さんは同部の主力として長年活躍し、右打ちのスラッガーとしてならした選手だ。

 佐々木は10歳上の先輩に感謝する。「コーチのようであり、指導者のようでした」

 今年、2人は別々の道を歩み始めた。

 大塚さんは昨年限りで12年在籍した野球部を引退し、1月から日立製作所の社業に専念している。電機システムの補修や修繕で上司と茨城県内を車でまわり、営業をかけている。

 34歳。「大学、社会人と野球ばかりやってきた。同期でも一番長く(野球部に)残った。同期には主任になっている人もいるし、部下をもつ人もいる」。仕事にまいしんし、簿記などの資格の取得にも努めている。

 佐々木はプロ入り後、取材では大塚さんの名前をたびたび挙げ、打撃の師匠のことを話す。それがニュースとなり、大塚さんは新たな職場の同僚から喜ばれている。

 佐々木はプロ入り前に、大塚さんからある言葉を贈られた。

 「ひたむきにやれよ」

 言葉は短くとも、心の通じ合った仲だからこそ、佐々木はその意味を理解している。(堤之剛)

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