日勤制の交番や通いの駐在所、ブロック制も 24時間体制から転換

編集委員・吉田伸八
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 警察庁は、各地の交番や駐在所で警察官の勤務の形を変えるなどして、運用の見直しを進める方針を決めた。現在は24時間体制のところが多いが、日中だけ開く交番や通勤制の駐在所、複数の交番によるブロック制などを取り入れる。

 警察の業務や組織運営を総合的に見直す取り組みの一環。警察庁は近く、都道府県警にこうした柔軟な運用を求める指示を出すとともに、地域警察の運用について定めた国家公安委員会規則を改正する。

 警察庁は全国の都道府県警で昨年6~10月、新たな運用を試行した。24時間でなく日中だけ開く日勤制交番▽警察官が住み込まずに通勤する駐在所▽複数の交番を一つのブロックとして全体運用――などの取り組みだ。また、オフィス街や繁華街、観光地など、時間帯や曜日によって取り扱い状況が異なる交番で時間帯などを限定した運用も試した。

 試行をふまえ警察庁は、こうした運用で人員を効率的、合理的に活用できると判断。今後、全国で取り組みを進めていくことにした。

 国家公安委規則は、交番は一つの当番で「原則3人以上の交代制」、駐在所は「原則1人の駐在制」の警察官で運用すると規定している。警察庁は既に通達などで、交番を1人や2人で運用することも可能にしているが、3人以上で運用する交番が多いという。このため、規則を改正し、配置人員数などで現場が柔軟に対応できるようにする。

 警察庁は「不測の事態を常に警戒する体制と、住民の声にこたえる本来の機能を維持することが大前提だ」と説明。勤務する警察官の数を減らしても、隣接する交番やパトカーなどにより、問題ない対応をするとしている。

 警察庁によると、昨年4月時点で全国に交番が6239カ所、駐在所が6026カ所ある。10年前と比べ、交番の数はほぼ横ばい、駐在所は1割近く減った。

 また、警察庁は、警察署の業務の見直しも進める。現在はすべての署で夜間や休日の当直体制をとっているが、隣接署などとブロック化して1つの署に当直の実動人員を集約するといった運用を複数の県警などで試行。今後、こうした取り組みを進めていくという。(編集委員・吉田伸八

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