知事や職員を中傷する文書流布か 退職間際の兵庫県幹部、処分を検討

高木智也
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 兵庫県は27日、3月31日付の人事異動を一部取りやめたことを明かした。退職予定者の中に懲戒処分の可能性が高い不適切行為が確認されたためだという。

 県によると、退職取りやめとなったのは26日まで西播磨県民局長だった、総務部付の男性(部長級)。斎藤元彦知事や複数の県職員を誹謗(ひぼう)中傷するような内容の文書を職務中に職場のパソコンで作り、流布した疑いがある。

 県関係者によると、文書は今月18日ごろ、県警や一部報道機関に送られた。2021年の県知事選をめぐり、4人の県職員の名前を挙げ、斎藤氏の当選に向けて知人らに投票依頼などの事前運動をしたとし、その論功行賞で4人は「人事のルール無視でトントン拍子に昇任」などと書かれていた。

 「とにかく斎藤氏は井戸(※前知事)嫌い、年長者嫌い、文化学術系嫌いで有名」「出張先での飲食は原則ゴチのタカリ体質、お土産必須。出張大好きな理由はこれ。現場主義が聞いてあきれる」などの記述もあった。

 男性は人事課に対し、行為についておおむね認めているという。31日付で退職予定だったが、県は懲戒処分を見越して退職をいったん取りやめて役職定年とした。

 斎藤知事は27日の記者会見で「事実無根の内容が多々含まれ、職員の信用失墜や名誉毀損(きそん)など法的課題がある」と話した。被害届や告訴を含めて法的手続きを進めているという。

 また、文書の作成や流布に関わった疑いがあるとして、自己都合退職の予定だった産業労働部次長の女性の退職も取りやめた。県は女性についても調べを進めているという。(高木智也)

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