東アジア最大の蛇行剣、全長は2・85メートル 奈良・富雄丸山古墳
日本最大の円墳、富雄丸山古墳(奈良市、4世紀後半)で見つかった東アジア最大の鉄剣は、新たに構造が判明した柄(つか)や鞘(さや)を装着すると、全長2・85メートルになることがわかった。奈良県立橿原考古学研究所(橿考研)などが26日、発表した。
鉄剣は奈良市教育委員会の2022年度の調査で、国内初の盾形銅鏡とともに出土。刃が左右にうねるように屈曲した「蛇行剣」(長さ約2・37メートル)で、3月中旬に共同研究を進める橿考研でのクリーニングが終わり、全体像が明らかになった。
分析調査の結果、蛇行剣にはL字状になった全長38センチ前後の木製の柄があることが判明。木製の鞘の先端には、細長い突起(石突(いしづき))もあった。地面に立てた時に鞘を破損から守るもので、古墳時代の鞘で初めて確認された。
柄や鞘を装着した状態だと、全長2・85メートルに復元できるという。柄や鞘には黒漆が塗られていたこともわかった。
L字状の柄は片刃の「刀」に特有とされるが、柄のつけ根には両刃の「剣」に特有の突起もあった。古墳時代の刀剣に詳しい豊島直博・奈良大学教授は「5世紀には剣と刀で柄の形が分かれるが、蛇行剣の装具は両方の特徴を兼ね備える。分化する前の姿を残している可能性がある」と話す。
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