「飛び抜けた存在になれ」 大阪桐蔭の平嶋、甲子園沸かす148キロ

室田賢
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(22日、第96回選抜高校野球大会1回戦 大阪桐蔭7―1北海)

 大阪桐蔭の平嶋桂知(かいち)(3年)は試合開始のサイレンの音を聞いて、気合が入った。「自分が背番号1なんだ。ここで投げるためにやってきたんだ」。最初の1球はいきなり148キロを計測し、観衆をどよめかせた。

 4強入りした昨春の選抜大会でベンチ入りしたが、登板の機会はなかった。新チームからエースナンバーを背負ったものの、近畿大会の終盤は先発の座を他の投手にゆずった。先発した明治神宮大会の初戦は、5回4失点と乱れた。

 層の厚い投手陣の中で下級生も台頭し、焦りが募った。昨年12月に西谷浩一監督との1対1の面談で言われた。「過去の強い代には飛び抜けた存在がいる。今年はお前がなれ」

 その言葉に奮い立った。投球フォームの改造に着手し、安定感が出た。この日、初の甲子園のマウンドは7回1失点、無四球。「(自己採点は)70点くらい」と厳しい。

 2018年に春夏連覇を成し遂げた大阪桐蔭にあこがれて、東京から来た。「絶対的エースになりたい。次はもっと相手を圧倒したい」。“最強世代”と呼ばれた先輩に並ぶために、高みを見続けている。室田賢

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