瀬戸内7県を拠点とするアイドルグループSTU48の甲斐心愛さん（20）が6月、マレーシア・クアラルンプールに結成される姉妹グループ「KLP48」に移籍する。故郷・広島から移住し、第二のアイドル人生が始まる。

　1月1日、元日公演の開演前だった。甲斐さんは、あるニュースを目にした。

　《マレーシアにKLP48発足へ》

　すぐにマネジャーに1本のLINEメッセージを送った。

　「私、行きたい」

　13歳だった2017年、STU48の1期生としてデビューした。長く活動する中で、外の世界に触れて強い刺激を受けたいと感じていた。「迷いはなかった」

　グループ間での調整が進み、移籍が決まった。「後輩にバトンを渡すとき」。そんな気持ちも、決断を後押ししたという。

　STU48での7年間で「あの悔しさは忘れたくない」と振り返るのが、デビューシングルでの「選抜落ち」だ。それをバネに奮闘し、2枚目のシングルからは選抜メンバーとして活躍を続けている。

　2年前には、小さいころから大ファンのプロ野球・広島カープの試合で始球式を務めた。「夢がかなった瞬間で、一生忘れない思い出になった」

　「STU48でやりきった」という充実感とともに、異国の地での挑戦に向かう。マレーシアにはまだ行ったことがないが、現地のファンに喜んでもらいたいと、マレー語のオンライン講座もすでに申し込んだという。

　「2回目の1期生」として「グループを引っ張る立場としてがんばりたい」と意気込む。「『クアラルンプールといえばKLP48』と言われるようにしたい。世界一のグループにしたい」（小松隆次郎）