指導を緩めるよう指示した消防長を停職処分 パワハラとコンプラ違反

大野博
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 特定の事業所に対する行政指導を緩めるよう部下に指示したなどとして、和歌山県橋本市、九度山町とかつらぎ町でつくる伊都消防組合消防本部は21日、消防長(60)を停職3カ月の懲戒処分としたと発表した。消防長は処分を受けた19日付で依願退職した。

 同消防本部によると、昨年6月、消防法に基づく立ち入り検査などの指導を受けた事業所から、「指導の言葉が厳しすぎる」と苦情があった。この苦情は、組合管理者だった中阪雅則・かつらぎ町長を通じて寄せられたという。消防長は、この事業所への指導を緩めるよう予防課長ら5人に指示するとともに、事業所に出向いて謝罪したという。

 同組合の懲罰審査委員会は、5人の指導内容には問題はなく謝罪も不適切だったとして、消防長の一連の行為は、部下に対するパワーハラスメントコンプライアンス法令順守)違反に当たると認定した。

 また、同消防本部の井上典和消防次長はこの日の会見で、予防課の20代男性職員が今月末に退職することを明らかにした。「消防長が予防課に出した指示が、退職願を出すに至る要因の一つとなったと考えている」とも述べた。(大野博)

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