四次元ポケットから次々に? 若冲研究の学芸課長は「お宝ハンター」

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筒井次郎
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 京都・嵐山にある福田美術館の学芸課長だが、江戸時代の「奇想の画家」、伊藤若冲(じゃくちゅう、1716~1800)の研究者のほうが通りがいいかもしれない。岡田秀之さん(48)は「錦市場の青物問屋の主人から始まるその人生も作品も、ドラマチックです」と魅力を語る。

 堺市出身。幼い頃から母親によく美術館に連れて行かれ、美術に興味を持った。関西学院大学と同大学院で日本美術を専攻した。当時は仏像や陶器に興味があったが、「好きなものは研究したら楽しめない。絵画なら冷静に見られると思ったんです」。絵画を前にすると、つい画材や描き方などの分析モードに入ってしまうという。

 MIHO MUSEUM(滋賀県甲賀市)の学芸員だった2008年、新発見の与謝蕪村の屛風(びょうぶ)を公開する展覧会で、担当者に抜擢(ばってき)された。当時の館長は、若冲を世に広めた近世絵画史の権威・辻惟雄(のぶお)さん。翌年秋、北陸の旧家で見つかった若冲晩年の屛風をお披露目する展覧会でも担当に。これが若冲研究のスタートとなった。16年末、19年の開館に向けて準備段階だった福田美術館に移った。

 トレジャーハンターの異名も…

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