日本雪氷学会調査、羊蹄山の雪崩2人死亡事故「低速の長距離の雪崩」

松尾一郎
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 北海道倶知安町羊蹄山(標高1898メートル)で雪崩に巻き込まれてニュージーランド国籍のガイド2人が死亡した事故で、日本雪氷学会北海道支部は21日、2人は急斜面の深い沢をゆっくりと長距離進んだ雪崩に巻き込まれたとみられるとする現地調査結果(速報)を発表した。事故原因の特定にはさらなる調査が必要だという。

 同学会雪氷災害調査チームによると、雪崩は羊蹄山の標高1650メートル付近で発生。円錐(えんすい)形の成層火山の頂上付近からふもとまでほぼ直線に続く斜度30度以上の深い沢を、10~15メートルの狭い幅のまま、標高650メートル付近(水平距離約2キロ)まで流れ落ちた。死亡した2人は、標高745メートル付近(雪の深さ1・5メートル)と、標高720メートル付近(同3メートル)で埋まっていたという。

 国立研究開発法人土木研究所・寒地土木研究所の原田裕介主任研究員(雪氷防災工学)は、今回の雪崩について「車で言えば、時速10キロとか20キロという比較的低速のものだったと推測している」と話している。(松尾一郎)

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