粘りの投球で成長証明、「清宮に勝った先輩」に学ぶ東海大福岡・佐藤

興津洋樹
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 (21日、第96回選抜高校野球大会1回戦 東海大福岡4―5宇治山田商)

 1点をリードされて迎えた九回表。東海大福岡のエース佐藤翔斗選手(3年)は、四球で先頭打者を出しても落ち着いていた。

 「相手に惑わされず、自分の投球をするだけだ」。教えを思い出すと、捕邪飛、三振、中飛とテンポ良く後続を断ち、フーッと息を吐きながら味方ベンチへ。「絶対追いつく」と裏の攻撃で打席に立ったが、勝利には届かなかった。

 目標とする投手がいる。チームが7年前に選抜に出た時のエースで、今はコーチの安田大将(だいすけ)さん(24)。強打者の清宮幸太郎選手(現日本ハム)が率いる早稲田実(東京)を破り、8強入りした。その姿をテレビで見て「安田さんみたいに甲子園で活躍したい」と憧れた。

 187センチ、88キロの体格を生かし、速球で押す投球を追求してきたが、安田さんは「勝ちを意識し、速球にこだわらず、変化球もうまく使ったほうがいい」。教えを意識し、変化球で打たせて取るようにすると安定感が増した。勝利を重ね、甲子園出場につながった。

 この日は六回までに5失点を喫したが、終盤は無失点で粘りと修正力をみせた。「成長を感じたが、自分を超える成績を残してほしい」と安田さん。

 佐藤投手は甲子園の土を持ち帰らず、誓った。「これで終わりじゃない。レベルアップして必ず甲子園に戻り、コーチを超える」興津洋樹

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