「価格転嫁で賃金格差解消を」 労組幹部が重視する中小企業の賃上げ
今年の春闘の賃上げ率の平均は正社員で5.28%(連合の初回集計)となり、33年ぶりの高水準になりました。こうした状況に労組側は「春闘の復活」だと主張しますが、高い賃上げは続くのでしょうか。中小製造業などの労組でつくる産業別組織「JAM」の安河内賢弘会長に話を聞きました。
やすこうち・かたひろ
1971年生まれ。九州大卒業後、井関農機入社。労働組合の中央執行委員長などを経て、2017年からJAM会長、連合副会長。
――今年の春闘をどう見ますか。
「大手や中小の労使双方に物価が下がり続けるデフレマインドが残っています。それを超えて大幅な賃上げをいかに実現していくのかのチャレンジとしては、一定の評価ができると思います。これまでは企業の業績などに応じて、賃金をどれだけ支払えるかという物差しで議論されてきました。今年は物価高や人手不足などを背景に労組側が相次いで高い賃上げを要求し、賃金が決まっていった側面があります。春闘は労組全体で足並みをそろえた方が交渉力が高まるため、横並びで経営側に圧力をかけるスタイルです。今年はその機能が十分に発揮され、『春闘が帰ってきた』と言えると思います」
――これまでの春闘はどうだったのでしょうか。
「経団連はデフレまっただ中…
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- 【視点】
「労組側は…『賢く』なりすぎた」という安河内賢弘会長のご意見、私も同意します。 そもそも労働組合は、どのようにして要求を作っているのでしょうか? 経営分析をして、企業の支払い能力を考慮して、賃上げ額を決めているのであれば、労使は、基本的に
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