第3回「もう一度海外に出る」雪辱の東急 バスで挑むベトナムのバイク社会

有料記事海を渡った田園都市

高橋豪
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 「田園都市」流のまちづくりをベトナム・ビンズオン新都市で進める「東急ガーデンシティ」プロジェクト。そもそもなぜ進出することになったのか。

 東急の本格的な海外展開は過去にもあった。1960~70年代には、太平洋のリゾート地でホテル開発を進める構想を打ち出し、ハワイやグアム、タヒチなどで事業を展開。結局、撤退や不振の憂き目にあった。

 「もう一度海外に出る」

 2010年ごろ、故・越村敏昭元社長が新たな方針をぶち上げた。のちに新都市開発会社「ベカメックス東急」の社長に就く呉東建(オウドンゴン)氏と中国やタイなどを回った。

 同時期にビンズオン省での新都市開発も始まった。国営で政府と結びつきの強い地元不動産大手のベカメックスIDCは、住宅建設に明るいパートナー企業を海外に求めていた。開発した工業団地に企業を誘致するため、日本にも拠点を置いていた。そこで東急とのつながりが生まれた。

 11年の夏、初めてビンズオン省を訪れた越村氏は直感した。「多摩田園都市は昔こんな感じだった。ここは将来の『田園都市』になる」

浮かんできた「横浜市青葉区」のイメージ

 ホーチミン市中心部から30…

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