特大茶わんの回し飲み、4年ぶり復活へ 4月の西大寺・大茶盛式
奈良市の西大寺は4月に開く「春の大茶盛(おおちゃもり)式」から、特大の茶わんによる回し飲みを4年ぶりに再開すると発表した。年3回の大茶盛では、コロナ禍による中止を経て2021年から小ぶりの茶わんによる「1人1わん」に切り替えたが、コロナ5類移行と流行の落ち着きを受けて再開を決めた。
大茶盛は鎌倉時代、西大寺を復興した僧・叡尊(えいそん)が寺の鎮守である八幡神社に献茶し、残った茶を民衆に振る舞ったのが始まりとされる。戦後に直径30センチ前後、重さ4~5キロの茶わんが使われるようになり、複数の参加者が助け合いながらお茶を回し飲みすることで、寺の理念である「一味和合(いちみわごう)」を実感してもらう催しとして続けられてきた。
西大寺の辻村泰範執事長は「伝統行事は途切れてしまうと復活させるのが大変になる。本来の姿を知っている人がいるうちに継承していくことが大事だと考えた」と話している。
大茶盛式は4月13、14の両日開催。特大の茶わんによる大茶盛席は光明殿で午前9時から午後3時まで、毎時ごとに行う。各時定員80人。志納料4千円で、ほかに普通の茶わんを使う抹茶席(本坊奥書院)、そばの振る舞い(興正殿)、各堂の拝観などがある。
当日参加もできるが、定員があるため、寺は事前予約を呼びかけている。予約はメール(saidaiji@marble.ocn.ne.jp)か電話(0742・45・4700)、ファクス(0742・45・4720)で西大寺寺務所・春の大茶盛式係へ。(今井邦彦)
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