ベトナム国家主席が辞任 「規則に違反」、異例の2年連続交代

大部俊哉
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 ベトナムのボー・バン・トゥオン国家主席(53)が辞任の意向を示し、21日の臨時国会で承認された。国営メディアは「党の規則に違反した」としている。前任のグエン・スアン・フック氏も汚職事件の責任を取って昨年1月に辞任しており、国家元首である国家主席が相次いで任期途中で退く異例の事態となった。

 共産党一党支配するベトナムは、党書記長、国家主席、首相、国会議長の「4本柱」の指導体制を敷いている。国家主席は共産党書記長に次ぐ権力序列2位。憲法では国家元首とされ、内政や外交で国を代表する。

 国営ベトナム通信などは辞任の理由について、「トゥオン氏の違反が世論や党、国家の評判に悪影響を与えた。自ら責任を自覚し、辞意を表明した」と説明した。「違反」の具体的な内容については公表していない。

 2011年から最高権力者の座に就くグエン・フー・チョン共産党書記長(79)は汚職撲滅を掲げ、党幹部らの不正を厳しく処分してきた。そうした中、20年以降に新型コロナウイルス対策に絡む汚職事件が相次いで発覚。当時のコロナ対策の責任者だったフック氏を23年1月に国家主席の役職から引責辞任させた。

 その後任として、23年3月にトゥオン氏が就任。チョン氏の側近で、将来の書記長候補とも評されたが、わずか約1年で途中辞任することとなった。大部俊哉

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