甲子園に響く校歌 中央学院が春夏3度目で初勝利 選抜高校野球大会

杉江隼
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 【千葉】春夏通じて3度目の甲子園で、試合後に初めて球場に校歌が響いた。第96回選抜高校野球大会第3日の20日、中央学院は耐久(たいきゅう)(和歌山)に7―1で勝ち、2回戦に進出した。24日の第3試合(午後2時開始予定)で、宇治山田商(三重)と東海大福岡の勝者と対戦する。

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 キーマンの一振りが試合を決めた。

 1点リードで迎えた六回裏1死一、二塁。青木勝吾選手(3年)はつなぐ打撃を意識して打席に立った。 初球の変化球は外れた。

 「次は直球が来る」

 甘く入った直球を思いっきり振り抜くと、打球は左翼手の頭上を越え、2人が生還。迷うことなく二塁を蹴って全力疾走し、三塁に頭から滑り込んだ。

 「昨秋は自分の感覚と実際の動きにずれがあり、打撃に自信がなかった。今日はどんどん自分の感覚と動きが合ってきていた」と振り返る。

 相馬幸樹監督らから、打球を見て進塁するかの判断や、塁上で相手投手への圧力といった「走塁センス」を高く評価されている。だが、昨秋の公式戦では打率2割4分5厘と振るわず、強みを生かす機会はなかなか回ってこなかった。

 バットに当たっても、打ち損じて飛球になることも多く、「感覚のずれ」の修正は必要不可欠だった。

 打撃練習で主軸の中村研心主将(3年)から、「バットが遠回りしている」と指摘を受けた。フォームを修正し、素振りやティーバッティングなどを繰り返して、イメージ通りのスイングを目指した。

 相馬監督は打てずに悩みながらも努力を続ける姿を見ていた。この日、「今日のキーマンは青木。彼の一振りでチームにいい影響が出る」と、1番打者に起用した。采配通り、青木選手は3打数2安打3打点と活躍し、チーム悲願の初勝利に貢献した。

 試合後、自身の活躍に「今もまだ打撃に自信は持てないですけど」とはにかんだ。そして次を見据えた。

 「チームの持ち味の機動力を生かすためにも、自分が打って塁に出て、相手にプレッシャーをかけていきたい」(杉江隼)

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