「23年打ち明けられず」 子どもの性被害、民事の時効撤廃求める声

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編集委員・大久保真紀 島崎周
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 旧ジャニーズ事務所(SMILE-UP.)創業者の故ジャニー喜多川氏からの性被害当事者らでつくる「子どもの性被害 時効にNO!」が18日、東京都内でシンポジウムを開き、子どものころに受けた性被害について民事訴訟の時効撤廃を求めるキャンペーンを始めることを発表した。

 子どもは、そもそも性被害を被害と認識できないことが多く、認識できたとしても被害をだれかに話すことができるようになるまでには長い時間がかかるのが実情だ。

 加害者の責任を追及したいと思っても、現在の民法の規定では、生命や身体を害する子どものころの性被害の場合、被害者が加害者を知ってから5年がたつと時効によって民事裁判で加害者の責任を問うことができなくなる。また不法行為から20年行使しないと、損害賠償請求権が消滅する。

 キャンペーンの共同代表を務める川上資人(よしひと)弁護士は、米国では2022年に子どもの性被害については時効を適用しないとする特別法が制定されたことなどを説明。「日本では時効があることで子どもの性被害が社会に顕在化していない。子どもの性被害に民事の時効があるのはおかしい」とした上で「日本でも子どもの性被害に対しては民事の時効を適用しないという法律を制定する必要がある」と訴えた。

 もうひとりの共同代表、飯田恭平さん(36)は元ジャニーズJr.。13~18歳のときに事務所に所属し、故ジャニー氏から性被害を受けたが、昨年まで23年間、だれにも話せなかったという。

記事後半には、シンポジウムに登壇した5人の性被害当事者の声も載せています。

 「立ち上がろうというときに…

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