第3回記者が見た「ドイツらしさ」の典型 政府の借金割合、日本の4分の1
「自作自演の危機のつけを農家に押しつけるなら大間違いだ」
ベルリンの観光名所ブランデンブルク門前に昨年12月18日、政府に抗議するため、全国各地から集まった約7千人の農家らが数百台のトラクターで周辺の道路を完全にふさいでいた。
政府はその数日前、トラクターなどに使うディーゼルの補助金と車両税の減税措置を打ち切る方針を発表した。予算見直しのためだった。
ドイツ北部から抗議に来た、畜産農家のラインハルト・ユンクさん(62)は、年間2万ユーロ(約320万円)の追加負担になり、「耐えられない」と憤った。
【連載】GDP逆転 ドイツを歩く
名目国内総生産(GDP)で日本を追い抜いたドイツ。製造業の拠点として成長してきましたが、足元では経済は低迷しています。ドイツ各地を歩き、その強みと課題を報告します。
政府は、抗議を受けて一部の措置の取りやめを決めたが、全国各地で「農家の乱」は2カ月以上続き、交通網は混乱した。
予算見直しの引き金は、財政運営をめぐる昨年11月の憲法裁判所の判決で、歳出削減が必要になったからだ。
ドイツの財政、健全な理由とは
政府の動きは国内では混乱を…
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- 【視点】
「経済成長のために日本政府はもっと借金して財政支出をしろ。」と主張する人はかなりいる。 そのような人は、GDP比で日本の約4分の1しか借金していない上、日本の3分の2程度の人口に過ぎないドイツにGDPが抜かれるという事態をどう受け止めている
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