佐々木勇気八段がNHK杯初優勝 藤井聡太八冠は最高勝率ならず

村瀬信也
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 第73回NHK杯テレビ将棋トーナメントの決勝が17日、放映され、佐々木勇気八段(29)が藤井聡太名人・竜王(21)=王位・叡王・王座・棋王・王将・棋聖と合わせ八冠=に勝ち、初優勝を果たした。藤井名人・竜王は年間勝率の記録更新の可能性がなくなった。

 先手の佐々木八段が角換わりに誘導。終盤まで好勝負が続いたが、藤井名人・竜王のミスで生じた好機を佐々木八段が生かして勝ちきった。

 両者は昨年の決勝でも対戦し、藤井名人・竜王が勝って初優勝を果たしている。佐々木八段は「去年は力戦だったが、今年は研究勝負で戦った。それが良かったかもしれない。優勝できるとは思っていなかった。優勝は自信になる」と語った。

 藤井名人・竜王は「終盤、私の実力では判断がつかない場面が多くて難しかった」と振り返った。感想戦の後、敗因となったミスについて「ポカです」と苦笑した。

 藤井名人・竜王の今期成績は45勝8敗で勝率は8割4分9厘になった。今期の残る対局は、棋王戦五番勝負だけで、17日午前9時から行われている第4局を制しても中原誠十六世名人(76)が記録を保持している最高勝率(8割5分5厘)を上回らないことが確実になった。村瀬信也

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