電事連会長、なぜ再び中部電力? 背景にカルテルの「恨み」

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三浦惇平 内藤尚志
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 大手電力10社でつくる電気事業連合会(電事連)の新会長に中部電力の林欣吾社長の就任が決まった。現会長の池辺和弘・九州電力社長は中部電から会長職を引き継いでおり、本来は関西電力にバトンタッチするのが「流れ」だった。なぜ中部電になったのか。

 通称「電事連」のトップである会長は、電力業界の「顔役」であり、官公庁とのパイプ役や月1回の記者会見などを担う。1952年の発足以来、東京、関西、中部の事業規模の大きい3社で会長職を回してきたが、2020年に九州電の池辺社長が初めて3社以外から就任した。

 2019年に関電社長が金品受領問題で辞任したため、前任の中部電が再登板した経緯がある。東京電力福島第一原発事故後に事実上国有化されており、会長職は務めていない。今回、事業規模の大きい3社が会長を担う慣行が復活する場合、関電の番だった。

 関電は意欲があるとみられていた。電事連は25年の大阪・関西万博にパビリオンを出展する計画で、「おひざ元」の一大イベントを会長として迎えたいのでは――。業界内では、そんな声が聞こえた。

「皆すねに傷、清廉潔白ではない」

 しかし、影を落としたのが…

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