「トランプ党」で置いてけぼりの保守派のみなさんへ NYTコラム

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デイビッド・フレンチ

 バイデン米大統領は一般教書演説をする前日の今月6日、共和党の大統領選候補者選びでヘイリー元国連大使に投票したおよそ30%にあたる共和党員らを招待する声明を出した。そのメッセージはシンプルだ。ドナルド・トランプ(前大統領)はあなたたちを求めていないが、私たちは求めている。トランプ氏は(自らのSNS)トゥルース・ソーシャルで、ヘイリー氏に「貢献」した者は「MAGA(「米国を再び偉大に」)陣営から永久に追放される」と投稿した。対照的にバイデン氏は、ヘイリー氏の支持者と見解の相違があることは認めながらも、民主主義や良識、法の支配、北大西洋条約機構(NATO)への支持といった点では一致していることから、対トランプ氏で団結すべきだと訴えた。

 バイデン氏の考えは正しいだろうか。ヘイリー氏を支持する保守派の有意な人数を説得して自らに投票してもらえるほどの論拠はあるだろうか。通常ならば、答えはノーだ。負の分極化が米国の政治生活を支配している。支持政党の変更をお願いすることは、愛すべき「私たち」のもとから、憎むべき「やつら」のところへ移るようなものであり、友人関係や家族関係を壊してくださいと頼むようなものだ。だからヘイリー氏の支持者が最後の手段としてバイデン氏に投票することがあるとすれば、それは彼らがかつての(共和党の)故ロナルド・レーガン元大統領の心境、彼が民主党から離れたときに民主党に感じたことを真に理解したときだろう。彼が民主党を去ったのではなく、党が彼のもとから去ったのだ。

遠ざかる党、迫られる選択

 しかし今日、レーガン氏ある…

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