競泳のパリ五輪代表選考会が17日、東京アクアティクスセンターで開幕する。3大会連続となる大舞台へ、男子個人メドレーの瀬戸大也(CHARIS&Co.)は背水の覚悟で臨む。
2016年リオデジャネイロ五輪で銅メダルに輝きながら、期待を集めた東京五輪はメダル無し。失意の底まで沈んだ29歳は、パリをこう位置づけてきた。
「一つのことをやり切った、と示す舞台」
22年から東海大の加藤健志コーチの下で再起を懸けた猛練習を積み、復活した瀬戸。ところが昨秋、その環境を変える決断をした。現在は豪州を拠点に、同国の名将マイケル・ボール氏に本格的に指導を受けている。
五輪まで1年を切った段階でのコーチ変更は、賭けにも映る。背景には、昨年7月に福岡で開催された世界選手権があるという。
400メートル個人メドレーで銅メダルを獲得。ただ、タイムは4分9秒41と平凡だった。練習の手応えとは裏腹に、「最低限」と考えていた自己ベスト(4分6秒09)から大幅に遅れた。
パリの金メダルへ、最大のライバルになるであろうレオン・マルシャン(仏)が4分2秒50という世界記録をたたき出したのとは対照的だった。
パリで勝てるのか。得意だったバタフライの調子が一向に上がらない。自分の良さがなくなっているのでは――。迷いが生まれた。
率直な思いを加藤コーチに伝え、話し合いを重ねたという。
「(加藤コーチは)自分と似ていて情熱的。大好きだけど、似過ぎていて足りない部分を強くできないんじゃないか」
少年時代から続く師弟関係を…
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