県内企業の6割、賃上げ予定「ある」 帝国データバンク調べ

岩堀滋
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 埼玉県内企業の6割超が2024年度、何らかの賃上げに取り組む考えであることが、帝国データバンク大宮支店の賃金動向に関する意識調査から明らかになった。賃上げが県内でも広がりつつある状況がうかがえる。

 意識調査は、同社の定期的な景気動向調査の対象である県内1036社に聞き、423社が回答した。

 正社員のベースアップや賞与、一時金の引き上げなどの賃金改善があると答えた企業は61・9%。3年連続の増加で、06年度の意識調査開始以降で最高を更新した。同社の全国調査でも59・7%と過去最高だった。その具体的な内容では、ベースアップが57・0%と最多で、全国調査の53・6%を上回る水準だった。

 賃金改善があると答えた企業の規模別の内訳は、大企業が54・3%と昨年度の調査と比べて1・5ポイント減った一方、中小企業と小規模企業では、同8~9ポイント増と大幅に増えた。

 業種別の内訳は、対象企業数が少ない「農・林・水産」と「金融」を除くと「運輸・倉庫」が76・5%と最多で、「建設」の68・8%が続く。国が4月から、時間外労働の上限規制の対象に運輸業や建設業を含めるのに合わせ、労働条件の改善が進んでいるようだ。賃金改善の理由は、人手不足などによる「労働力の定着・確保」が68・7%と最多だった。

 同支店は「各企業が外注などで省力化を進め、生産性を向上させることで、継続的な賃上げにつなげられるかがポイントではないか」と指摘する。岩堀滋

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