初見の投手から根拠ある盗塁ができるワケ DeNA西巻賢二の観察眼
横浜DeNAベイスターズは今季、走塁改革に取り組んでいる。
昨季の盗塁数は12球団最少の33。チーム打率2割4分7厘はセ・リーグ2位だったが、520得点はリーグ4位とややつながりを欠く打線の一因になった。
昨季まで楽天イーグルスで走塁を指導し、小深田大翔の初の盗塁王獲得をアシストした佐竹学コーチを走塁アナリストとして招き、データを充実させた。
チーフ打撃コーチだった石井琢朗コーチには、走塁コーチの肩書が加わった。
オープン戦の試合前には連日、石井コーチがマウンドに上がって投手の役を務める。牽制(けんせい)球が来るのか、来ないのか。選手たちが盗塁のスタートの判断力を磨いている。
13日現在、オープン戦10試合で15盗塁。しかも失敗は1度だけと、シーズンにも期待が膨らむ結果が出ている。
三浦大輔監督は「根拠なく走っているわけではない。ベンチを含めて(走塁の)準備ができている」と、チームの変化に手応えをにじませている。
なかでも、「自分が何を求められているのかをよく分かっている」と評価している選手がいる。
内野手の西巻賢二(24)だ。
楽天とロッテで戦力外になり、3球団目となるDeNAには2022年のシーズン後に育成契約で入団した。昨年4月に支配下契約を勝ち取った苦労人は、ここまでチームトップタイの3盗塁を決めている。
その盗塁の内容もいい。
5日のロッテ戦では四回に代走で出場し、次打者の初球で二盗を決めた。マウンドにいたのは全くデータのない新外国人投手。それでも、根拠があった。
「あれは、いま練習で取り入…
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- 【視点】
■手ごわいアナリスト ベイスターズは「クセ盗みの達人」ともよばれる佐竹学氏を招いたのですね。 個の力はあるが粗い印象のチームが、変わるかもしれません。 佐竹さんはオリックス、楽天で内、外野を守るユーティリティー・プレーヤーでしたが
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