極右の言葉「丸写し」で支持拡大 オルバン氏が手本にした大物政治家

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シュトロボ=松尾一郎 喜田尚
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【アーカイブ】連載「ポピュリズムの欧州 オルバン編」後編

ロシアへの融和姿勢、トランプ氏支持…。国際政治の舞台で注目を集めるハンガリーのオルバン・ビクトル首相は、かつては1990年代に東欧各地で広がった民主化革命に身を投じたリベラル派の闘士でした。オルバン氏が政治家として変貌していく姿を関係者への取材から描いた朝日新聞の連載「ポピュリズムの欧州 オルバン編」(2015年12月16~22日付朝刊国際面)をアーカイブ配信します。年齢や肩書は掲載当時、敬称は省略します。

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 オルバン(52)らとともにハンガリーの青年運動組織「フィデス」をつくった元国会議員モルナール・ペーテル(51)は、投資で財をなした大富豪との出会いを今も覚えている。

 ハンガリー系米国人のジョージ・ソロス(85)。民主化前夜の1988年、ブダペストのホテルで面会後、フィデスの拠点にコピー機が届けられた。民主化を呼びかけるビラを印刷するための「武器」だった。

 ハンガリーで一党支配が終わった直後の89年末、オルバンは英オックスフォード大学に留学していた。奨学金を出したのは、母国の将来を担うリーダーを育てようとしていたソロスの財団だった。

 そして90年、初めての自由選挙で、帰国したオルバンは政党になったフィデスから国会議員に初当選。長髪でひげもそらず、ネクタイをしめずに登院する新顔議員は国民の人気を得ていった。政権政党への第一歩を踏み出した瞬間だった。

後半では、オルバン氏が欧州のある政治家を手本としながら、「変身」をくり返していった歩みをたどります。

35歳の首相「ベルルスコーニ流」学ぶ

 だが、民主化が進むにつれ…

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