北海道 災害での道東道央間の道路寸断、救ったのは高規格道路

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松尾一郎
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 今年1月の能登半島地震では主要道路の寸断が救助や復旧の初動を難しくした。北海道でも、2016年8月に四つの台風の影響による記録的大雨で道東と道央を結ぶ主要道路や鉄道が寸断されたことがある。当時の危機を救ったのは、並走する高速道路だった。こうした経験を踏まえ、道内では、津波などの災害対策に高速道路を含む高規格道路を生かす取り組みが進んでいる。

 16年8月中旬から下旬にかけて、史上初めて三つの台風(台風7号、11号、9号)が相次いで北海道に上陸したほか、続く10号が東北地方を横断し、十勝地方や日高地方に記録的な大雨をもたらした。同16日から31日までの総降水量は、北海道上士幌町ぬかびら源泉郷では858ミリに達した。

 道央と道東を結ぶ主要路線である国道274号の日勝峠周辺(日高町~清水町、43・8キロ)やJR根室線は土砂崩れや橋が流されるなどして寸断。帯広や釧路、根室といった農水産物の生産地である道東と、新千歳空港や本州へのフェリーが発着する苫小牧、小樽など主要港の集まる道央の間での物流が完全にストップした。

 そのとき、最も早く回復したのが道東自動車道だった。発災の約2日後に通行可能になり、国道274号を管理する国土交通省北海道開発局から要請を受けた東日本高速(NEXCO東日本)は、占冠と十勝清水の両インター間の約47キロを国道274号の代替道路として無料で開放した。

高規格道路、なぜすぐに通行可能に?

 その結果、道外に出荷される…

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