公立中の寄宿舎が閉寮 通学困難な山間地の生徒が寮生活して半世紀

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前川浩之
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 愛知県岡崎市額田地区にある市立額田中学校で11日、寄宿舎「敬信寮」の閉寮式があった。通学が難しい山間地の生徒が生活してきたが、入寮者の減少などを理由に半世紀の歴史に幕を下ろした。

 「第2の家だった。先輩がつないだ寮がなくなるのは名残惜しいが、前向きにがんばる」。2年の倉橋翼さん(14)は式に参列した生徒や保護者ら約100人を前に述べた。倉橋さんと1年の小畑渚さん(13)が感謝の言葉を語った。

 寮は、岡崎市東部の山あいにある旧額田町立額田中の寄宿舎として、1973年に開寮した。鉄筋コンクリート造り3階建てで、男女別の計3棟ある。公立中の寄宿舎は県内唯一で、夏目弘之校長によると、全国で20程度しかないという。

 机の並ぶ学習室とベッドがある学習室の2室がつながる構造で、3~4人ずつが共同生活してきた。寮母や寮監と呼ばれる職員2人と、同校の教諭2人が交代で寝泊まりし、朝食と夕食も一緒に食べる生活。夜には、教諭が勉強を教えることもあった。開寮当初は196人が入寮し、ピーク時の91年には230人いたが、今年度は56人だった。

■みんなで食事、宿題教えても…

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