3割の店舗が不正受給 「短時間なら…」 名鉄観光、社内調査終える

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内藤尚志
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 国の助成金を不正受給した名古屋鉄道系の旅行会社「名鉄観光サービス」が、動機の解明が不十分なまま社内調査を終えた。問題の根を断ち、再発を防げるのか。内藤尚志

 「厳粛に受けとめている。このたびは本当に申し訳ございませんでした」。2月中旬、名鉄観光は溝口明宏執行役員らが記者会見して不正を謝罪した。拝郷寿夫社長は会見に姿を見せず、溝口氏が約8カ月に及んだ社内調査の結果をとりまとめの責任者として説明した。

 不正受給があったのは、コロナ下で助成額が拡充された国の雇用調整助成金(雇調金)。公表済みだった1支店に加え、さらに25支店・営業所で見つかった。特定できた分だけで、不正な申請は2020年4月~22年4月に計1335件あり、受給額は2203万円にのぼった。ほかにもあったとみられるが、日付などを確定できず、件数には含めていないという。

 雇調金のルールでは、不正があった期間以降の受給額は問題のない申請分も含めて全額を返すのが原則だ。名鉄観光の返納額は違約金と延滞金を含めて約29億円になった。

 雇調金は、経営が苦しい会社が仕事の減った社員を休ませたり、教育を受けさせたりして、雇用を維持した場合にもらえる。コロナ禍が直撃した観光業などで利用が急増し、雇用保険の財政が悪化。その影響で働き手も負担する保険料も引き上げられている。出勤した社員の分まで申請して受けとる不正も各地で次々と発覚している。

 名鉄観光も、そうした不正に…

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