第1回<生きがい=Ikigai>海を越え伝わる日本の心、「人生豊かに」

有料記事地球の反対側のにほんご

軽部理人=サルバドール 河崎優子
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 「あなたの生きがいは?」

 そう問われると、何を思い浮かべるだろうか。

 「生きがいということばは、日本語だけにあるらしい」。ハンセン病治療で知られる精神科医の神谷美恵子は、1966年の著書「生きがいについて」(みすず書房)でそう語る。続けて、「こういうことばがあるということは日本人の心の生活のなかで、生きる目的や意味や価値が問題にされて来たことを示すものであろう」と考察する。

 ただ、生きる意味が問題になるのは、日本人の心のなかだけではない。いま、この「生きがい」という日本語は、世界でそのまま“IKIGAI”として広く使われるようになった。

九死に一生を得た男性、「生きがい」の伝道師

 「どんな小さなことでもよいのです。生きる意味を見つけてみてください。きっと、あなたの『生きがい』になるはずです」

記事後半では、"IKIGAI"という本を出版したスペイン人作家が、なぜ「生きがい」が海外で広まるかについて語ります。

 ブラジル北東部サルバドール。日本から約1万7千キロ離れた地の一角で、エドアルド・アルメイダさん(52)は20人ほどの参加者にそう声をかけた。

 経営コンサルタントが本職の…

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