全人代の政治活動報告の読み上げ、李首相が一部省略 習氏は硬い表情

全人代2024

北京=金順姫
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 中国の全国人民代表大会全人代、国会に相当)が5日、北京の人民大会堂で開幕した。「たゆまず奮闘していこう!」。李強(リーチアン)首相は政府活動報告の読み上げをこう締めくくり、壇上の席に戻った。隣に座る習近平(シーチンピン)国家主席から声をかけられるとうれしそうな笑顔を見せ、さらに言葉を交わした。議事の途中や終了後も、2人が話をする様子が見られた。

 前日には全人代閉幕後の恒例となってきた首相会見を今年は実施せず、特別な事情がなければ、今後も行わないとの発表があったばかり。中国政治の希少な対外説明の場をなくし、透明性が後退したことに関心が集まった。歴代の首相が「経済の司令塔」として注目されてきた機会が失われ、異例の3期目に入っている習氏の「一強ぶり」をさらに際立たせる結果となった。

 李氏はこの日、政府活動報告を読み上げる際に多くの部分を省略した。かけた時間が51分あまりと過去と比べて短かったことも含め、淡泊な印象だった。5年前と比較すると、報告の字数は1割以上減った。

 習氏は硬い表情で席に座っていた。ほかの出席者は手元に置いた報告を目で追ったり、ペンで書き込みをしたりしながら聞いていたが、習氏はほとんどの時間、前を向いていた。

 壇上に並んだ幹部らの前にはのどを潤すため白いコップが一つずつ置かれていたが、習氏の前にだけコップは二つあった。(北京=金順姫

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